Raspberry Pi(Raspbian wheezy)をOS XのQEMUで動作させる手順
Raspberry Pi emulator for WindowsでRaspbian最新版を動作させる手順ではWindows上のQEMUでRaspbianを動作させましたが、現在使用しているのはMacBookなので、OS X上のQEMUでRaspbianを動作させる手順をまとめます。内容はほぼ同じです。
注意
- Raspbian Jessieを動作させようとしましたが、Kernel Panicで起動しませんでした。よって、当記事では前回と同じRaspbian wheezyを動作させます。
- OSとQEMUの組み合わせがマズイのかと思ってDebian on VirtualBoxで試しましたが、別の原因で起動しませんでした。
- CentOS、Ubuntuでは
qemu-system-arm
をインストールする方法が分かりませんでした。あまりまじめに探していませんが。
作業環境
- OS X Yosemite
- qemu 2.4.0.1
作業手順
QEMUをインストール
Homebrewでqemuをインストールします。
$ brew install qemu
必要なCPUがサポートされているかチェックします。arm1176
が表示されればサポートされています。arm1176
が表示されない場合は、QEMUをビルドする必要があります。問題無いはず。
$ qemu-system-arm -M versatilepb -cpu '?' | grep arm1176
Raspbianおよびkernelをダウンロード
Raspberry Pi Downloads - Software for the Raspberry Piから、RASPBIAN WHEEZY
をダウンロードします。ファイルサイズが大きいので注意。ダウンロードしたら展開して、raspbian.img
にリネームします。
次に、dhruvvyas90/qemu-rpi-kernelからkernel-qemu-3.10.25-wheezy
をダウンロードします。ダウンロードしたら、kernel-qemu
にリネームします。
Raspbian使用準備
RaspbianをQEMUで使用するためには、いくつかの調整を行う必要があります。なお、この作業の一部でキーボードが英語配列になることがあるので注意。
Raspbianを起動(1回目)
調整のため、1回目の起動を行います。
$ qemu-system-arm -kernel kernel-qemu -cpu arm1176 -m 256 -M versatilepb -no-reboot -serial stdio -append "root=/dev/sda2 panic=1 rootfstype=ext4 rw init=/bin/bash" -hda raspbian.img
ld.so.preload
を修正
/etc/ld.so.preload
を修正します。1行目先頭に#
を追加して、コメントアウトします。
# sed -i -e 's/^/#/' /etc/ld.so.preload
90-qemu.rules
を作成
/etc/udev/rules.d/90-qemu.rules
を作成します。
# touch /etc/udev/rules.d/90-qemu.rules
# echo 'KERNEL=="sda", SYMLINK+="mmcblk0"' >> /etc/udev/rules.d/90-qemu.rules
# echo 'KERNEL=="sda?", SYMLINK+="mmcblk0p%n"' >> /etc/udev/rules.d/90-qemu.rules
# echo 'KERNEL=="sda2", SYMLINK+="root"' >> /etc/udev/rules.d/90-qemu.rules
Raspbianを終了
これで使用準備ができました。いったん、終了します。
# exit
Raspbianを起動(2回目)
Raspbianを起動します。以降、以下のコマンドでRaspbianを起動します。1回目の起動とはコマンド内容が少し異なるので注意。
$ qemu-system-arm -kernel kernel-qemu -cpu arm1176 -m 256 -M versatilepb -no-reboot -serial stdio -append "root=/dev/sda2 panic=1 rootfstype=ext4 rw" -hda raspbian.img -redir tcp:5022::22
正常に起動したら、設定完了です。この時点のraspbian.img
をバックアップしておくと、状態を元に戻すのが楽になります。
-redir tcp:5022::22
で、ホストOSの5022番ポートを、ゲストOSの22番ポートにリダイレクトします。5022番ポート以外を使用する場合は、このオプションを変更します。sshログインするには、以下のようにコマンドを実行します。パスワードはraspberry
です。
ssh -p 5022 pi@localhost